離婚の原因:浪費、無駄遣い、ギャンブル

離婚の原因・理由

 蓮沼個人の経験則でしかありませんが、女性は経済感覚がしっかりしていることが多いものですが、逆に男性はというと、どうしてもルーズなところが目に付きます。
 彼らは、実にくだらないことで大金を使ってしまいます。馬券を買ったり、スマホゲームのガチャに何万円とか、いくらお小遣いの範囲内だからといって、そんな無駄遣いはして欲しくないですね。

 ただ、離婚の理由になる「浪費」と単なる無駄遣いでは、やはり違いというものがあります。

 夫が真面目に働き、家にも稼ぎを入れていて、決められたお小遣いの中で無駄遣いをしても、それは当然ながら離婚の理由にはなりません。誰にも迷惑のかからない範囲で、ただ遊ぶのに使っただけだからです。だから、夫が今月のお小遣い全部を使って、帆船模型のキット一式を買ってきても、またそれを結局完成させられないで放り出したとしても、仕方のないことなのです。
 また、近所のスーパーにお使いを頼んだ夫が、いつものより高い野菜を間違えて買ってきても、これも浪費とはいえません。
 それから、夫なりに頑張って働いたけれども、事業が大失敗して借金塗れになったという、こういうケースも浪費ではありません。

 一方、競馬にのめりこんだ夫が、今月の生活費まで使い込んで馬券を買い、結局負けて家賃も払えない、という状況では、立派に「浪費」が理由となります。ましてや消費者金融でお金を借りてきたりとなったら、尚更のことです。

浪費夫の生態

 暴力も急を要する離婚の原因ですが、こちらも緊急度が非常に高いです。
 なぜかというと、あなたのお金まで使い込んでしまうかもしれないからです!

 共働きだったとして、あなたと夫の共同口座に振り込んでおいたお金は、きっとすべて、彼のギャンブルのために使われてしまうでしょう。借りたお金は自分のお金。借金をする人というのは、そういう感覚を持っています。

 貯金はもちろんしんどいものですが、借金を返すというのは、本当に苦しいものです。頑張ったのに報われない感じがしてならないからです。だって、せっかく得たばかりのお金が右から左へと消えてしまうのですから。
 だから、借金慣れした人というのは、借りたお金のことを忘れようとする傾向を持っています。つらいのは借りる瞬間と、返せと迫られた時だけ。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざ通り、さぁ終わったと言わんばかりに、これまで同様のお金の使い方をしてしまうのです。

 これはもう習慣なので、どうしようもありません。それに、消費というのは瞬間的な快感を与えてくれます。そう、あくまで瞬間的な快感です。
 あのバイク、カッコいいな、乗りたいな、乗りたいな……そう思いながら展示されたバイクを見つめる時、人は大きなお祭りの前夜祭のような気分でいるのです。ところがいったん手に入れて、軽く乗り回して、まだ汚れ一つない機体をそっと触れたら、それでおしまいです。新品のピカピカしたバイクも、やがては日常の塵に薄汚れ、持ち主はそれに跨ることに特別な感情を抱かなくなります。

 要するに、感情の抑制というか……
 快・不快のサイクルが極端に短いのです。我慢がきかないといいますか。
 だから短絡的にお金を借りたり、使い込んだりしてしまいますし、衝動的に何かを買ったりするのです。そして、長く愛するということをしません。

 これは、絶対にダメな傾向です。
 努力を持続できない性質ということですから、将来的な成功はまず期待できません。そしてもちろん、他人に対しても感情が持続しませんから、愛してる、感謝してるといってもその場限りのことが多く、本当にずっと愛し続けてくれるようなことは、まずないでしょう。
 その意味では、浪費というのは氷山の一角で、本当の問題は信頼性の低さといってもいいくらいです。彼らが「今度こそ」「絶対に」という時、それはごく短い間だけ機能する約束だということを心得ておかねばなりません。
 もしこれに、更に酒癖、女癖まで加わったら、もうそれはブレーキのない暴走車と同じです。怪我をしてでも飛び降りないと、一緒に巻き込まれて爆発炎上間違いなしです。

証拠集めは大切、但し迅速に

 では、どうやって離婚するか、ですが……
 この場合もやはり、証拠集めが大切です。

 具体的には、消費者金融の請求書などがあったら、それをコピーでもいいので、確保してください。他、クレジットカードからの引き落としの履歴とか、とにかくどんな勢いでお金を使い込んだのかが客観的にわかる資料をキープしておくべきです。
 そして、なんでもいいから迅速に動くことです。

 とにかく、時間が経てば経つほど、ただそこにいるだけで借金を膨らませていくのです。うっかり連帯保証人なんかになった場合には、もう目も当てられません。大急ぎで離婚して、夫の支払いから自由にならないといけません。
 本当なら、使い込まれたあなたのお金を取り戻したり、慰謝料を取ったりしたいところですが、正直それどころではありません! ことは一刻を争うのです!

 この手の問題は、発覚してから動いたのでは遅い面があります。
 こういう危険を避けるためには、家庭が円満なうちから「もしや万一のことは」という心掛けで、家計の収支に目を光らせておくことです。最初の一、二ヶ月でトラブルが起きたとしても、その時点であれば傷は浅いです。
 もちろん、最初は猫をかぶって妻にバレないよう我慢している可能性もありますので、しばらくは気を抜かないほうがいいです。結婚前に交際期間があったにせよ、その人の金銭感覚なんて、生活を共にしないとわからないところもあるのですから。

払うべき債務、払わないでいい債務

 ですが、この問題で悩む女性は、既に多くの問題に取り囲まれているはずです。
 例えば、自宅に債権者が押しかけてきて、あなたに借金を払えと言ってきたり……

 もちろん、支払う必要はありません
 夫が勝手に契約して作った借金ですから、あなたはその存在を知りもしませんし、責任も取れません。但し、あなたが連帯保証人になっている場合は別です。
 このことを逆手にとって、悪質な業者は「妻なのだから、連帯保証人として署名せよ」と迫ってきたりします。で、署名してしまったら後の祭り、あとは払え、払えと追いかけてくるのです。絶対に相手にしてはなりません。

 ただ、妻が支払いを避けられない出費というものも、実は存在します。それは「日常家事債務」といわれるものです。
 家庭用の食料品、衣料品、光熱費、住んでいるアパートの賃貸料、医療費、家電製品の購入費、子供の教育費などです。ただ、これらのためにお金を借りたのだから返せと言われた場合でも、即座に返済はしないほうがいいです。
 一社から三十万円程度ずつ借りている場合には、これも家庭での消費に使われた可能性が考えられますが、もし数百万円の債務があった場合には、すべてが生活に使用されたとは考えにくいので、妻の責任の範囲を外れます。
 いずれにせよ、そうした債務がある場合には、弁護士など専門家に一度相談するということを告げて、業者を追い返してください。あなたが負うべき責任は、家事消費分についてのみです。

借金まみれでも、婚姻費用の請求はできる!

 まだあります。
 婚姻費用の話は非常に重要なことなので、他でも説明しますが、別居中で離婚準備中の状況にあっても、妻は夫に婚姻費用の分担を請求することができます。そして、仮にその夫に毎月の給料以上の借金がある場合でも、夫が給与所得者である場合には、その分担義務はなくなりませんし、減額はしても請求が可能です。
 大量の借金があるから婚姻費用は払えない、と夫が言ってきた場合には、何か裏があると思ってください。

 この手の、特にお金にだらしない男との離婚交渉は、とにかく大変です。しかも、ろくに慰謝料も取れない最低の展開が待っています。
 ですが、頑張って乗り越えてください。グズグズしていると、一緒に地獄行きですから。

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